Day12 着物の収納 〜大切な一枚を美しく保つために〜

「着物ってお手入れが大変そう」――忙しい毎日の中で、そう思って一歩踏み出せなかった、という方も多いのではないでしょうか。
実際に着物を着るようになって感じたのは、確かに洋服とは違うけれど、構えすぎる必要はないということ。
今回は、着物のある暮らしを長く楽しむために、無理なくできる保管の基本とコツをお伝えします。

目次

着物を手に入れたら、次に気になるのは「どこに、どうしまう?」

初めて自分の着物を仕立てたとき、嬉しい気持ちの反面「これ、どこにしまえばいいんだろう?」と悩んだことを今でもよく覚えています。洋服のようにクローゼットに吊るしておくわけにもいかず、なんとなく押し入れにしまうのは不安。そこで登場するのが「たとう紙」です。

たとう紙は、着物を畳んで保護するための専用の包み紙。通気性があり、湿気やほこりから着物を守ってくれる優れものです。基本的には着物1枚につき1枚のたとう紙を用意します。着物を綺麗に畳んだら、たとう紙にしまって平置きが正解です。たとう紙は経年で湿気を含むため、1〜2年を目安に交換するとより安心です。

桐箪笥じゃなきゃダメ?実はオープンラック派も

着物の収納といえば桐箪笥(きりだんす)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。桐は湿度に強く、防虫性にも優れているため昔から着物収納の定番として重宝されてきました。私も、子どもの七五三や自分の訪問着を揃えたタイミングで、比較的手頃な桐箪笥を一竿購入しました。湿気の多い日本の気候においては、安心できる収納場所です。

一方で、最近はオープンラックにたとう紙を積み重ねて収納するスタイルの方も増えているようです。引き出しの開閉が不要で、目視で中身を確認できるのがポイント。換気もしやすく、虫干しの手間が減るというメリットもあるそうです。スペースや予算に応じて、ライフスタイルに合った方法を選べるのは嬉しいですね。
「しっかり守りたい方は桐箪笥、日常的に着る方はオープンラック」と考えると選びやすいかもしれません。

畳んだ着物はコンパクト。でも、シワには要注意

洋服と比べて、着物は畳むととてもコンパクトになります。1枚ずつ平らにたたんで重ねることで、意外にも少ないスペースで数枚を収納できるのです。

ただし、畳み方を誤るとシワがつきやすく、しかもそのシワは着用時にかなり目立ってしまいます。私も以前、着付けの先生から「このシワ、けっこう目立つから保管の時には十分注意してね」と言われてしまったことがあり、それ以来は畳み方により気をつけるようになりました。着た後にはたとう紙に入れる前に、衣紋掛けにしばらくかけて湿気を飛ばすのをお忘れなく。

洋服と違って毎回洗わない?着物のお手入れの考え方

洋服はアウター以外、基本的に着るたびに洗濯する方が多いと思います。私もそのタイプです。ですが、着物は「洗わない」ことが前提の衣類

着用の際は、なるべく汚さないように着ることを意識します。肌着や足袋、衿芯などを清潔に保つことで、着物本体が汚れるのを防ぐのです。着用後は、目立った汚れがないかをチェックし、全体を軽く乾いた清潔なタオルで拭う方もいらっしゃるようです。気になる汚れは、自分で応急処置をするか、専門の悉皆(しっかい)屋さんに染み抜きを依頼します。シーズンの終わりや気になる汚れがある場合には、専門店で丸洗いやお手入れを行います。

虫干しと風通しもお忘れなく

着物の大敵は湿気。カビや虫食いを防ぐために、定期的に風を通してあげることが大切です。乾燥した天気の良い日にタンスの引き出しを開け、扇風機で風をおくって空気を入れ替えるといいと聞きました。購入時についていた紙には「年に2回は虫干しを」と書かれていた記憶があります。
本格的な虫干しが難しい場合でも、引き出しを開けて風を通すだけでも効果があります。

収納アイテムは無理なく、手軽に

高価な桐箪笥が必須というわけではありません。私は市販の除湿剤を活用しながら、必要に応じて収納環境を整えています。防虫剤は2種類以上を併用するのは厳禁です。着物にシミや変色が起こる場合があります。桐材は虫を寄せ付けにくい性質があるため、桐箪笥に保管する方は防虫剤は必須ではありません。

大切に着続けて、いつか娘へ

自然素材で仕立てた着物は、丁寧に手入れをすれば長持ちしますし、将来的には娘に譲れるかもしれません。そう思うと、お手入れのひと手間にも自然と気持ちがこもります。「量より質で、大切に着回す」。そんな暮らしが、着物と共に始まりつつあります。ほんの少しの手間で、着物との時間はぐっと豊かなものになります。

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