着物に興味を持ち始めたとき、まず最初に混同しがちなのが「浴衣と着物の違い」かもしれません。
今日はその違いについて、私の経験も交えながらお話しします。
目次
「浴衣」は、夏のくつろぎ着
浴衣は、もともと湯上がりに羽織る「湯帷子(ゆかたびら)」が起源。現在では、夏祭りや花火大会などで気軽に楽しむ“夏の普段着”として定着しています。素材は主に綿やポリエステルなど洗える生地で、裏地はなく、襦袢も着ません。素足に下駄を履いて楽しむ、涼しげなスタイルです。
私は大学生の頃、当時大好きだったロックバンドの夏のライブに浴衣で行きたくて、母と百貨店に出かけました。選んだのは、紫色に大胆な花模様があしらわれた派手めの浴衣。ピンク色に白いレースがついた半幅帯に、濃いピンクでパールがついた帯締め、水色の鼻緒の白木の下駄――当時の自分にぴったりの、ポップで華やかなコーディネートでした。
ライブ会場で合流した友人に「素敵だね!」とほめてもらったこともあって「浴衣って楽しい」と感じた、思い出深い一着です。
「着物」は、格式と場面に寄り添う装い
一方、着物は裏地の有無によって「袷」「単衣」「薄物」に分かれ、素材や柄、着る場面に応じた種類があります。足袋を履き、襦袢を重ね、帯や小物も整えて着用することが基本。TPOに合わせて、装いをきちんと整えることが求められる点が、浴衣との大きな違いです。
また、着物には「格(かく)」という考え方もあります。フォーマルな場面か、カジュアルな集まりか。その場にふさわしい着物を選ぶことは、着る人の礼儀でもあり、奥ゆかしさでもあります。
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まとめ
浴衣と着物の違いは、形式の差にとどまらず、装う気持ちや季節感、場の空気に寄り添う心配りにもあらわれます。次回は、浴衣と着物の「着付け小物の違い」についてご紹介したいと思います。