肌に近いものだからこそ、心地よさと質を大切に
着物を着るとき、いちばん最初に身につけるのが肌襦袢と裾除け。いわば「着物のインナー」です。直接肌に触れるものだからこそ、着心地が良く、快適な素材を選びたいものです。
肌襦袢や裾除けは、綿や麻、ポリエステルなど、さまざまな素材で作られています。最初に揃える肌着類としては、ワンピースタイプの肌襦袢が便利ですが、私はポリエステル製のものはあまりおすすめしていません。
ポリエステル素材の落とし穴
実際にワンピースタイプの肌襦袢で、裾だけがポリエステル素材のものを使ってみたことがありました。そのとき感じたのは「静電気」と「蒸れ」。冬はヒートテックのように熱がこもり、夏は風を通さず汗で不快感が倍増。静電気で裾がまとわりつくことも。
特に私は、肌に近いところに自然素材を使いたいという気持ちが強くなり、今では綿や麻の肌襦袢を選ぶようになりました。洗濯してもへたりにくく、吸湿性・通気性にも優れていて、着物で過ごす時間の快適さが格段に変わります。
着付け小物も「揃えるもの」ではなく「選ぶもの」
着付け小物は「これが必要」とリストで与えられると、ついすべて揃えたくなってしまうかもしれません。でも実際には、自分に合ったものを少しずつ見つけていく方が、無駄もなく、快適な着付けにつながります。
最初に最低限必要なのは、以下のようなものです:
- 肌襦袢・裾除け(もしくはワンピース肌着)
- 腰紐(3〜4本)
- 伊達締め(1〜2本)
- コーリンベルト(1本あると便利)
- 帯板、帯枕
それぞれ1,000円〜3,000円台で購入でき、まとめて一式を買っても1万円前後に収まることが多いです。ただし品質や素材によって価格帯は広く、高級品になると1点数千円〜1万円を超えることも。
自分の感覚に合ったアイテムを
例えば腰紐は、ポリエステル製のつるつるしたものよりも、モスリンや木綿素材の方が結びやすくて緩みにくい。伊達締めも、マジックテープ付きのものより正絹の博多織の方がフィット感が良いと聞き、私は正絹の博多織の伊達締めを最初に準備しました。
まとめ
小物類は消耗品でもありますが、長く使えるものを選べば結果的にコスパも良くなります。私は「肌に一番近い部分こそ、きちんと選ぶ価値がある」と思っています。