Day8 着物に合わせる履き物の基本 〜草履と下駄の違いと使い分け〜

草履は着物に、下駄は浴衣に

これは着物初心者さんの多くの方がもつイメージではないでしょうか。結論からいうと、このイメージは半分正解で半分まちがっています。

着物のコーディネートを考えるときに、意外と悩むのが「足元」。履き物としては大きく分けて「草履」と「下駄」があり、それぞれに用途や雰囲気が異なります。今回は、初心者の方でも安心して選べるよう、草履と下駄の基本的な違いと使い分けについて整理してみます。

目次

草履とは?フォーマルからおでかけまで

草履は、着物に合わせる伝統的な履き物の一つで、かかとがあり、底がクッション性のある素材でできていることが特徴です。つまり見た目が「木ではない素材」でできています。

*フリー素材です



格の高い装い(訪問着、付け下げなど)には、台に厚みがあり、光沢のある鼻緒の草履を合わせるのが一般的。入学式や七五三、お茶席など、フォーマルな場面でよく履かれます。

そして素足で履くことはなく、足袋をあわせます。

下駄とは?カジュアルさと季節感

一方、下駄は木の台に鼻緒をつけた履き物で、よりカジュアルな印象を与えます。浴衣や木綿の着物に合わせることが多く、特に夏場にぴったり。

浴衣に裸足で下駄を履くというのはOK。浴衣に足袋+下駄という組み合わせも素敵。こちらは舞妓さんがよくされているイメージがあります。

最近は格が低めの小紋やシンプルな木綿着物などに合わせて、通年使用する方も増えています。足袋を履いて使えば、下駄もきちんと感が出せる場面もあります。

下駄は木底の形によって種類がいくつか分けられる。こちらは右近下駄。

TPOでの使い分け

草履=フォーマル、下駄=カジュアル、というのが基本の考え方ですが、TPOに合わせた柔軟な判断も大切。街歩きや観光なら鼻緒にクッションがある下駄も楽ちんですし、雨用のウレタン草履やカレンブロッソのような現代的な選択肢もあります。

また雨の日の履き物に関しては今度詳しくお話したいと思います。

では、着物に下駄はどこまでOK?

着物には草履が基本ですが、場合によっては下駄を合わせてもOK。それではどんな着物に合わせることができるのでしょうか。表にまとめてみました。

着物の種類下駄との相性備考
浴衣◎(定番)最も定番の組み合わせ。
木綿・ウール・デニム着物◎〜○カジュアル感がマッチ。街着や普段着として。
紬(カジュアル向け)観光・カフェ着物などにおしゃれな演出として。
小紋(柄による)△〜○おしゃれ着としてならOK。柄が控えめなら草履が無難。
色無地(略礼装)×フォーマル感があるため草履を。
付け下げ・訪問着・留袖×格式が合わず不釣り合い。

下駄を浴衣に合わせる場合は素足でOKですが、着物に合わせる場合は足袋を履くのをお忘れ無く。

私が選んだ履き物は

私が着物に合わせて選んだのは、クリーム色の高めの台にクリーム色のエナメルの草履です。訪問着を着ていくという用途がきまっていたので、それに合わせてこちらを百貨店で購入しました。この鼻緒がなかなかに硬くて痛くて…。どうにも足が入らなくて、自宅でなんとか慣らそうといろんな方法を試したけどだめでした。鼻緒のすげ職人さんのいる日に鼻緒を調整してもらって、ようやくましになりました。

これから履き物を買うよという方には、ぜひ草履屋さんや、鼻緒のすげ職人さんがいらっしゃるイベントなどに足を運んでみることをお勧めします。足の形や甲の高さは人それぞれですので、専門の方に見てもらって鼻緒を調整してもらうと快適な着物生活が送れると思います。

まとめ:まずは履きやすさ重視で

最初の一足は、用途にあった、出番の多そうなものを選ぶのが無難かもしれません。そして履き心地のよさを大切に。できればお店で鼻緒の調整をしてもらえると安心です。
下駄か草履か、悩む時間も楽しい着物の世界。少しずつ、自分のスタイルを見つけていきましょう。

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